執筆者
Xavier Muñoz

 FIFAの規律委員会は、リオネル・メッシに対して4試合の出場停止処分を言い渡した。これは暴力をふるった他のケースよりも重い処分だ。

 例えば、2006年ドイツワールドカップ決勝のフランス対イタリアの試合、ジネディーヌ・ジダンがマルコ・マテラッツィに頭突きをした事件があった。
 主審はその試合でジダンにレッドカードを出し、その後3試合の出場停止処分を言い渡した。
 結局ジダンはその試合を最後に現役引退。そのため出場停止処分の代わりに人道的活動への参加が命じられた。

 その他には、1994年ワールドカップのスペイン対イタリアの試合で現バルサ監督のルイス・エンリケ氏が巻き込まれた事件がある。その試合で、エンリケ氏はマウロ・タソッティから肘打ちで鼻の骨を折った。
 この試合で主審を務めたハンガリー人のプル・シャンドール氏は、その試合で肘打ちを見逃した。しかしFIFAは試合後、タソッティに8試合の出場停止処分を下した。
 不可解なことは、FIFAが重大な反則を見逃したシャンドール氏を決勝戦の主審に任命したことだ。

Luis Enrique sangrando tras recibir el codazo de Tassotti

 また、1986年のメキシコワールドカップでは、イラク人のサミル・シャケルがベルギー人の主審に唾を吐いたにも関わらず、退場とならなかった。
 FIFAはこのシーンを映像で見直し、イラク人選手に1年の出場停止処分を下した。

 カメルーンのアレックス・ソングは2014年ワールドカップでクロアチアのマリオ・マンジュキッチに肘打ちを見舞った行為に対して、FIFAの規律委員会は3試合の出場停止処分を言い渡した。

 ダニエレ・デ・ロッシは2006年ワールドカップでアメリカのブライアン・マクブライドに肘打ちし、マクブライドは顔の骨を折ったが、デ・ロッシはこの試合でレッドカードを受けた後、FIFAによって4試合の出場停止処分を受けた。

 デ・ロッシ同様、過去4試合の出場停止処分を受けたのは日本でも有名なブラジルのレオナルドだ。彼は1994年ワールドカップでアメリカのタブ・ラモスに暴力を振るい、レッドカードと4試合の出場停止処分を受けた。

厳しい処分を受けたルイス・スアレス
 FIFAはルイス・スアレスにはとても重い処罰を与えた。2014年ワールドカップ、ウルグアイ対イタリアの試合でジョルジョ・キエッリーニに噛み付いた行為に対して、9試合、4カ月の出場停止、さらに10万スイスフランの罰金処分を下した。これはタソッティの行為よりも厳しい処分だ。キエッリーニはその試合でプレーを続行できたにも関わらず…。

メッシのケースよりも軽かった処分の前例
 最近のFIFA規律委員会の処分を見てみると、2016年1月にチリのエドゥアルド・バルガスがスタンドに向かってわいせつなジェスチャーを見せた事がカメラに収められていたケースで、バルガスに2試合の出場停止処分を与えている。

 また同年9月には、同じくチリのガリー・メデルがワールドカップ予選のウルグアイ戦の行為によって4試合出場停止処分を受けている。メデルはその試合で、アルゼンチン審判団に対して不作法で汚い言葉を浴びせたためレッドカードを受けた。

カバーニの尻に指を突っ込んだハラは、たった3試合の出場停止
 このケースでは裁定を下したのはFIFAではなく、CONMEBOL(南米サッカー連盟)だったが、コパ・アメリカの準々決勝のチリ対ウルグアイの試合で、チリのゴンサロ・ハラがパラグアイのエディンソン・カバーニの尻に指を突っ込んだが、この行為を行ったハラに対しては3試合の出場停止処分が下されている。

 いずれにせよ、FIFAの反則処分には基準が設けられていないことがうかがえる。暴言に関して基準を設けることは簡単ではない。しかし、これほど判断にばらつきがあっては、“フェア”プレー推進を唱えているFIFAの面目が立たないのではないだろうか。

MundoDeportivo編集部

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