執筆者
Josep M. Artells

 FCバルセロナが決勝トーナメント1回戦でパリ・サンジェルマンFC(PSG)を下したことで、レアル・マドリードに癇癪を引き起こさせ、そのことが6―1で勝利したセカンドレグの無効を要求する呆れた行為へと人々を駆り立ててしまったとしたら…。

 バルサの歴史的大逆転によってR・マドリードを取り囲むメディアに精神錯乱を引き起こさせ、常識を逸脱した考えを想起させてしまったとしたら…。

 万一そうだとしたら、しばらく物事を落ち着かせた方がよいだろう。

 CL準々決勝でR・マドリードと対戦するのは得策とは言いがたい。すでに4月23日のリーガ第33節でR・マドリードとの“エル・クラシコ(伝統の一戦)”が予定されている。仮にCL準々決勝でもエル・クラシコが実現しようものなら、ファーストレグが4月11日―12日、セカンドレグが4月18日―19日に行われる。わずか14日間で3度のバルサ対R・マドリードを見ることとなる。
 さすがに息が詰まりそうである。否応なしに、ジョゼ・モウリーニョ監督率いるR・マドリードと4回も対戦し、お互い極度に疲弊した2011年の悪夢が脳裏に蘇る。

 バルサは奇跡的な勝利で準々決勝進出を決めたことで勢いに乗り、今の選手たちはどんな相手でも負けない強い自信に溢れている。
 しかし、CLでのエル・クラシコが誘発する過激な雰囲気は独特なものだ。辟易する審判談義や被害者気取りの報道やテレビ番組が主役となり、スポーツ的側面の分析や批評などは完全に隅に追いやられてしまう。
 ちなみに先日3月15日、元スペイン代表監督のビセンテ・デル・ボスケ氏がPSGを下したバルサの偉業とルイス・エンリケ監督の手腕を賞賛したが、そのコメントはあっという間に批判の対象とされてしまった。

 むしろ2011年の時より今の状況は悪化しているといえるかもしれない。当時に比べ周囲の雑音は倍以上で、退屈な演説でバルサの名を汚し、弱体化させようとする動きを遮るものは何もない状況がつくり出されている。

 今から6年前の2010―2011シーズン、バルサはまず2010年11月29日のリーガ第13節でR・マドリードを5―0で圧勝。続く2011年4月16日のリーガ第32節もアウェーながら1―1で引き分けていた。
 そしてバルサはCL準決勝で再びR・マドリードと対戦。4月27日に行われたアウェーでのファーストレグでは、打倒バルサに執念を燃やすモウリーニョ監督を横目にメッシの2ゴールでバルサが勝利を収めた。
 敗戦に納得がいかないモウリーニョ監督は、試合後に主審が犯したミスをメディアの前で読み上げる往生際の悪さを垣間見せた。

MundoDeportivo編集部

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