「ある朝起きてネットを見たとき、交通事故のニュースが目に留まりました。男の子が全身麻痺で入院していて、彼の両親は亡くなったというものです。なぜその子のことが気になったかというと、彼がラシンのファンだったからです」
セシリアは続ける。「私はラウタロに連絡して、その子を励ますメッセージを送って欲しいとお願いしました。3分後にはビデオメッセージが届きましたよ!それを彼の親戚に送ると本当に喜んでいました」
だがラウタロの行動はそれで終わらなかった。セシリアは興奮しながら語る。「彼が休暇でアルゼンチンに帰国したときのことです。ミラノからエセイサ国際空港に到着したラウタロは、そこで故郷のバイアブランカに乗り継ぐ予定でした。そのときWhatsAppで連絡があったんです。"やあセシリア。今どこにいると思う?"って」
「私が"分からない"って答えると、すぐに写真が送られてきました。あの子供、レンツォと一緒に撮った写真でした。彼は乗り継ぎの時間を変更して、荷物を空港に置いたまま病院に行っていました。そこでしばらく滞在したあと、バイアブランカに行ったんです。これがラウタロなんです」
セシリアは言う。「イタリアに行ったあとに電話番号が変わりましたが、ラウタロはすぐに番号を教えてくれました。私から聞いたわけではないのに。世界的に有名な選手になっても、彼は昔のままです」
