執筆者:Xavier Munoz

 それから1年半後、彼が積み上げてきた信頼はわずか24時間ですべて失われてしまった。1929年の株価大暴落に例えて、アビダルの"ブラックチューズデー"と呼ぶものもいる。火曜日、自身のコメントにリオネル・メッシが反論。クラブからの敬意とドレッシングルームとの関係を損なってしまうと、さらにこのタイミングでデンベレが再び負傷してしまった。

 振り返れば、2020年に入ってからアビダルのイメージは急低下していた。最下位エスパニョール戦と引き分け、スーペルコパでアトレティコに敗れたあとにエルネスト・バルベルデの解任を決めると、アビダルはオスカル・グラウCEOとシャビ・エルナンデスに会いに行っている。

 公式にはカタールでリハビリ中のデンベレを見舞うという理由を挙げたが、誰がどう考えてもシャビに監督をオファーしたのは間違いない。そのシャビから「ノー」の返事を受けたバルサは、急いでセティエンを採用した。新監督は就任会見で「突然のオファーに驚いた」と語ったが、クラブはシャビと交渉していたのだから当然だろう。

 そして冬の移籍市場は何もしないまま終わった。ジャン=クレール・トディボ、カルレス・ペレス、カルレス・アレニャを放出した一方で、離脱するルイス・スアレスの代替案だったロドリゴについて、バレンシアとの交渉はあっけなく失敗。そのあと動かなかったことにも批判が集まった。

 2019年7月までペップ・セグラとチームを組んでいたアビダルは、このシーズンの冬にケビン=プリンス・ボアテング、ジェイソン・ムリージョという非生産的な補強を行った。昨夏はフレンキー・デ・ヨングとアントワーヌ・グリーズマンを獲得したものの、これはクラブ全体で取り組んだ戦略的な契約だった。アビダルが主体的に取り組んだのはジュニオル・フィルポとネトの獲得のみである。

 今回の件で解任されることはなかったが、クラブに残ってもそれがプラスになるかは正直分からない。

MundoDeportivo編集部

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