執筆者:Begona Villarrrubia

 火曜日、ブラジル代表の“女王“マルタが、ミロスラフ・クローゼの記録を抜くワールドカップ通算17ゴール目を決めた。33歳のフォワードは、そのあとスパイクにキスしたが、これは男女平等を訴えるジェスチャーだったという。

 マルタのこの行為は、女子フットボールにおけるアクションのひとつに過ぎない。女子初代バロンドーラーのアーダ・ヘーゲルベルグは、ワールドカップ開幕前にノルウェー女子代表を辞退した。同国のフットボール連盟が、男子と女子を同列に扱っていないことが理由だ。

「フットボールはノルウェーの女子にとって最も重要なスポーツです。もうずっと前から行われている競技なのに、いまだに女子は男子と同じ扱いを受けられていません」ヘーゲルベルグはそのように語っている。北欧は男女の賃金を統一している世界でも数少ない地域だ。

 長いフットボールの歴史を誇るアルゼンチンでは、女性たちの声がハリケーンを巻き起こした。女子代表は12年ぶりにワールドカップ出場を果たしたが、数ヶ月前まで彼女たちにはプロリーグすらなかった。女子選手たちはアルゼンチンフットボール連盟に希望を伝えた。代表ミッドフィルダーのミリアム・マヨルカは言う。「アルゼンチンの女性の怒りはフットボールだけでなく、すべての仕事からも生まれているんです」

 1000万人のフォロワーを持つアレックス・モーガンは、過去ワールドカップ3回、オリンピック4回の優勝を成し遂げたアメリカ女子代表チームの待遇に不満を抱いている。彼女をはじめとする28名の女子選手たちは、米国サッカー連盟による性差別を訴え、アメリカ連邦裁判所に訴訟を起こした。

「いつかは立たなければいけないことだった」そう語るモーガンは、もし今回のワールドカップに優勝しても、ホワイトハウスからの招待を辞退する考えであることを明かしている。

 ドイツ女子代表は国民に向けたビデオメッセージを発信した。「私の名前を知っている?知らないでしょ?」「私たちはワールドカップに2回優勝し、ヨーロッパでも8度チャンピオンになった」「私たちは、私たちの名前すら知らない祖国のために戦う」「私たちの体にタマはないけど、ボールの扱い方は知っている」「最初にタイトルを獲得したとき、連盟からもらった賞品はコーヒーカップだった」

 この動画はドイツ語圏以外でも大きな反響を呼んだ。ちなみに今回のワールドカップで優勝した場合、彼女たちはコーヒーカップではなく、一人当たり6万5000ユーロの賞金を獲得するだろう。

 わが国の女子フットボールを取り巻く環境は着実に進んでいるが、それでもまだ多くの欠点を抱えている。例えば最低賃金や出産休暇などの問題は解決策を見出せないままでいる。だからこそ、今回のワールドカップにかける思いは強い。「目標が達成できるかどうかは私たちにかかっている」開幕前、ジェンニ・エルモソはそのように語っていた。

MundoDeportivo編集部

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