2人の連絡はナジーラからブエノのメッセージで始まった。ナジーラが「ネイマールが酔って自分に暴力を振るった」と、ブエノにサポートを求めたものである。その際、彼女は「ネイマールと撮影した写真、あざの写真、暴行を受けているときの動画が存在する」ことを伝えた。これに対して、ブエノは「それを誰にも見せないように」と指示している。

 ナジーラは続けて「病院で診察すべきか」「生きてブラジルに戻れないと思った」「抵抗しようと思ったが怖くて無理だった」「ネイマールは頭がおかしい」という内容を送った。ブエノは「診察は受けるべきではない」と返答。その理由を「医師は絶対にあざを作った人物のことを質問するが、今はそれを答えるタイミングではない。写真があれば十分だ。あとは法律が守ってくれる」と説明している。

 ナジーラから送られてきた数枚の写真を見たブエノは「ネイマールは酔って混乱しているようだ」と判断した。その一週間後、ブエノはナジーラに「あざの写真を分析して医療報告書が届いた。もっと症状がひどい写真があれば送って欲しい。一緒に解決策を考えよう」とメッセージを送る。

 一方のナジーラは「ネイマールが社会的地位を利用して罰を逃れるのではないか」というおそれを抱いていた。これに対してブエナは「私と契約するときにも話したが、この種類の戦いには時間が必要なことを分かって欲しい」と返信している。

 だがナジーラは「彼は私に手を上げ、性的暴行を加え、薬物を飲ませた。自分自身で世の中にメッセージを発信したい」「ネイマールは収監か入院が必要な薬物中毒者であり、社会に出てはいけない存在」「私がPTSD(心的外傷性ストレス障害)に苦しんでいるのに、彼が罰を受けずに過ごしていることが許せない」とコメント。「数日後に録画した動画を公開する予定」と付け加えた。

 ブエナは「正義は必ず下される。しかし、自分自身の手でそれを行いたいのなら、あなたは新しい弁護士を雇う必要がある」と答えている。この反応にナジーラは怒り、「あなたはネイマールに有利なように進めている。ここまでの対応は最悪だった」と返信した。ナジーラの主張が当初の暴行から性的暴行に変わったこともあり、ブエノは彼女の弁護をおりている。

 このあとナジーラは、ブラジルのアパートから「ネイマール事件に関する証拠写真が入ったタブレット端末が盗まれた」と発表。ブエノのあとに雇った弁護士ヤズミン・アブダラにこの件を説明したが、アブダラは「彼女の証言に矛盾点がある」ことを理由に弁護をおりた。

『UOL Esporte』の取材を受けた新しい弁護士ダニーロ・ガルシア・デ・アンドラージは、「彼女の緒言に嘘があった場合は契約を解消する」と前置きしたうえで、「自信がなければ彼女の弁護を続けていない」と語った。ナジーラはこのタブレットに「7分間の動画、暴力の種類が特定できる複数枚の写真、事件を証明する友人との会話の録音」があったと述べている。

MundoDeportivo編集部

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