福岡県春日市にある『バルサアカデミー福岡校』は日本初のFCバルセロナアカデデミーだ。県内外から、約300人の子供たちがバルサメソッドを学び、日々のトレーニングに励んでおり、今シーズンからは『熊本サテライト校』も活動している。
福岡校では毎年アカデミー生の中から” SEASON MVP”選出し、現地バルサアカデミーでのトレーニングへ招待しているが、2018-2019シーズンは福岡校と熊本サテライト校の中から、小田詠人くん(5年)が選出された。
-年間MVPに選ばれた感想を聞かせてください。
「まさか自分がMVPに選ばれるとは思っていませんでした。僕の名前を呼んでもらえたときは信じられなくて、本当にうれしかったです。コーチにプレー以外のことも評価してもらっていることが分かり、それもうれしく思いました」
-バルサアカデミーでプレーして楽しいことは?
「パスが上手く回って、それが思い通りにゴールにつながった時です。チームメイトと一緒にリズミカルでスピーディーな判断を出来たときも気持ちいいですね。バルサのプレースタイルで僕が好きで楽しいと思うところです」
-普段バルサアカデミーではどんなことを学んでいますか?
「ボールを受ける前の準備、受ける前に首をしっかり振って周りの状況を把握すること、相手から遠い足でコントロールすること、パススピード、ポジションを意識しながらボールを動かすこと、プレーの次の展開を意識してコントロールすること、コミュニケーションを取ること、あいさつや話を聞く姿勢や態度などです」
-これからサッカーの目標を聞かせてください。
「僕にとっての大きな目標は、プロサッカー選手になることです。そのためにまずは、もっと積極的にチームメイトに声をかけられるようになること、それからもっとボールキープ出来るように技術面のアップと体力面をアップすることです。今後海外遠征や外国人コーチと直接話せるように、スペイン語や英語も習得したいと思っています」
-サッカーがうまくなるために努力していることはありますか?
「出来るだけ多くの時間、ボールに触れるようにしています。あとサッカーに関する本を読んだり、動画で憧れているサッカー選手のプレースタイルもよく観ています。スクールやアカデミー、毎日の自主練習で学んだことを試合で実践しています。また、自分のスパイクや道具の手入れも細かくやっています。サッカーに関することは全て一生懸命やろうと思っているので、これからも努力したいです」
バルサアカデミー福岡校、熊本サテライト校のテクニカルディレクターを務めるジョアン・モルモルは、シーズンはMVPの小田詠人くんの選出について次のように語っている。
「エイトは昨シーズンの5月にバルサアカデミー福岡校の門をたたきました。彼には大きな個性があり、1人のサッカー選手としてだけでなく、1人の人間としても優れています。それは彼の成長を助け、バルサアカデミーのピラミッドの全てのレベル、グループを経て、エリートグループの選手となりました。スタッフの全員がエイトを祝福しています」
「エイトにはこれまでと同じようなやる気と夢を持って、今後も成長を続けて欲しいです。これはすべてのアカデミー生にも伝えたいことです。エイトは努力すれば必ず目標を達成できることを証明してくれました」
一番近くで詠人くんを見守っている父親は、「まさか自分の子供がMVPに選ばれるとは思っていなかった」と語った。
「本人と同じように、私もまさか詠人が選ばれるとは思っていませんでした。詠人はバルサのプレースタイルに憧れ、サッカーが上手くなりたいという純粋な向上心で日々努力を重ねています。だから今回の受賞は大きな自信に繋がったと思います」
「スクールに通うようになって、テクニックもフィジカルも大きく成長しました。ボールを持っていないときの状況判断、例えばポジショニングやパスを受けるための動き出しなどは、バルサアカデミーに通わなければ、小学生年代でなかなか受けることができない指導だと思います。私はトレーニングを外からしか見ませんが、それでも複雑なルールで指導されることで、詠人の瞬間的な判断力がかなり磨かれたことが分かります」
父親はアカデミーのことを次のように語っている。「会場に到着すると、スタッフはいつも気さくに挨拶してくれます。子供たちも気持ちよくトレーニングに入っていけていると思います。真剣なコーチたちと、それをまた真剣に聞く子供たちを見ていると、本当にこのアカデミーに入ってよかったと思いますね」
「FCバルセロナのメソッドを学べるというだけでも入校する意味はあったと思いますけど、実際にはそれ以上の影響を実感しています。うちは詠人と双子の詩文、その2つ下の登生の3人が通っていますが、全員がアカデミーの日を楽しみにしています」
詩文くんは詠人くんのMVPについて次のように語ってくれた。「詠人も僕も、学校以外の時間は一日中外でボールを蹴っています。そんな大好きなサッカーで詠人がMVPをもらえたことを、僕も自分のことみたいにうれしいです」
詠人くんは今日もバルサアカデミー福岡校でトレーニングを頑張っている。兄弟のMVP獲得は詩文くんと登生くんにとっても励みになるだろう。詠人くんはピラミッド状のカテゴリ分けの最下部からトップに上り詰めたが、すべてのグループを駆け上がって最上級クラスに到達する生徒はごくまれである。そういった意味で、彼は兄弟だけでなくすべての生徒の励みになっているはずだ。
バルサアカデミーは日本で福岡、熊本、奈良、葛飾、品川大井町にスクールを展開するほか、春と夏と冬には全国でアカデミーキャンプを開催している。