執筆者:Joan Poqui
フォントはこのイベントにジャーナリストのアントニ・バサスを招き、600人の参加者に自身が描くプロジェクトを説明している。今回のイベントで、フォントは自分の生い立ちから紹介し、元バルサ副会長のフェラン・ソリアーノやマルク・イングラ、元会長ジョアン・ラポルタとの親交などを説明した。
フォントは自分自身を「起業家」と定義している。ドバイに設立したDelta Partners社は2003年にラポルタと共同事業を行っており、ソリアーノとイングラはClusters社の共同創設者だ。フォントは2010年にイングラのバルサ会長戦もサポートしている。
「私の目標は可能な限り多くの才能を集めることだ」と主張するフォントは、前述の元バルサ幹部たちだけでなく、シャビやカルレス・プジョルら元選手たちとの繋がりも持つ。2010年の会長選での経験を元に、2013年に最初の"Si al Futur"を開催している。

フォントは言う。「今後10年間に向けてバルサは大きな問題を抱えている。ますます競争が激しくなっているこの時代に、メッシをはじめクラブ史上最高の世代がチームを離れるからだ。現在、クラブの収益は過去最高額を記録している。選手を大金で販売しているからだ。これはつまり資源を失っていることを意味する。我々はこの管理モデルを変えなければいけない」
「例えば、カンプ・ノウ命名権の販売は、我々に収入を与えてくれるだろう。しかし、現在の収入モデルはもう限界に来ている。選手を手放さなくてもいいように、もっと多くの収入が必要だ。これから取り組まなければいけないのは、選手と共同で行うコンテンツ販売などだろう。代理人を介さずに、クラブと選手が直接ファンにサービスを提供するんだ。バルサのコンテンツは世界中の人々を熱狂させているのだから、それは最大限に利用しなければいけない」

フォントは取締役会は複数のタイプの人間で構成されなければいけないことも強調した。「副会長には元選手やスポーツアドバイザーが必要であり、そのほかエイターテイメント業界出身の人間、リーガとフェデレーションを熟知したカウンセラーなどの重要だ」
そのほか、インターネット投票の導入についても語った。「ネット投票を行うことで、クラブの運営にもっと多くのソシオが参加するべきである。最近ではエスクード(クラブエンブレム)を変更するという計画があったが、あのときだってソシオはもっと意見を言えたはずだ」
スポーツプロジェクトに関しては、次のように説明している。「我々はヨハン・クライフのモデルをキープしなければいけない。これまで支えてくれたスタッフを頼り、もっと大切にすべきではないのか。シャビ・エルナンデス、カルレス・プジョル、ジョアン・ビラ、アルベルト・ベナイヘスのような人間たちのことだ。メッシの後継者を生み出すのは、彼らだと思っている」
政治的問題について、フォントは「私はカタルーニャ独立を支持するひとりだ。しかし、バルサが政治的な道具になる必要はない。カタルーニャの人々の意志を信じよう」と語っている。
