執筆者:Axel Aguilar

 この状況には重要なキーがある。ひとつは、ホルヘ・メンデスを介さなくても契約できるという点だ。メンデスはクリスティアーノ・ロナウドのユベントス移籍を実行したとして、フロレンティーノが目の敵にしている代理人である。モウリーニョも彼のクライアントの一人だが、指揮官はフロレンティーノやホセ・アンヘル・サンチェスGMとは旧知の仲であるため、代理人を介さずとも直接交渉を行うことができる。

 そしてもうひとつ、これは"悪魔的な"考え方だ。フロレンティーノはセルヒオ・ラモスを快く思っていない。メディアの前では良好な関係を演出しているが、会長がラモスのキャプテンとしての資質、リーダーシップの不足を疑っていることは周知の事実だ。そこで使いたいのがモウリーニョである。

 ラモスはまず最初にドレッシングルームでの影響力を"スペシャル・ワン"に奪われ、次にベルナベウのピッチにも立てなくなり、最後は自ら移籍を求める。ポルトガル人指揮官が引導を渡してくれるという目論見だ。新たにディフェンスリーダーを務めるのは、モウリーニョの崇拝者であるラファエル・ヴァランだ。

 問題は、ジョゼ・モウリーニョの到着が今すぐなのか、それともシーズン終了後になるかである。これはソラーリ率いるチームの結果に左右される。またフロレンティーノは重要なジャーナリストと"協力"することで、モウの復帰が肯定的に捉われることも画策しているようだ。

 いずれにしても、数日中には新たな情報が入ってくるだろう。もしすぐ復帰することになれば、モウリーニョとともにチーム強化を図るはずだ。6月に戻ってくる場合、フロレンティーノとホセ・アンヘル・サンチェスには時間が与えられる。彼らはきっとこの"復帰作戦"を大々的なものにしようと講じるだろう。例えば"モウリーニョがネイマール擁するチームを率いる"というようなものだ。最近フロレンティーノは、新たな銀河系軍団を作成するため、一度諦めたネイ獲得を再び検討しているともいわれている。

MundoDeportivo編集部

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