執筆者:Fernando Polo
FCバルセロナに移籍したあと、ウスマン・デンベレはそれぞれ異なる意味で人々の注目を集めた。最初はこのクラブにやってきたとき。1億500万ユーロ(約136億円)で獲得したフランス代表に、バルサファンは大きな期待を寄せた。
そして次はこの数週間のトラブルである。ファーストチームのトレーニングに現れなかった21歳は、開始から1時間半後に胃腸炎だと連絡した。問題点なのは、デンベレの行動よりもこれがチーム内部からもれたことだろう。クラブの歴史において、こんなエピソードが注目されたことはいまだかつて無い。
イニエスタのお別れ会で
一番最初にデンベレの問題を語ったのはピケだった。選手たちはトレーニングやイベントを共有するため、メッセンジャーアプリ『WhatsApp』にグループを作成している。5月、アンドレス・イニエスタのお別れ会について話し合ったとき、ピケがここに「デンベレはいつも遅刻するから、ちゃんと連絡しないといけない」と投稿した。当時はジョークとして語られていたが、チームメイトのなかでは当時から遅刻が多いと認識されていたことが分かる。
ワールドカップ期間中
そのあと、苦言を呈したのはフランス代表監督のディディエ・デシャンだった。ワールドカップ期間中の7月に、記者会見で「彼には素晴らしい才能があるが、受け入れられない態度もある」と語っている。デンベレはフランス代表のトレーニングをいくつか無断で欠席しており、ノックアウトラウンド進出後は起用を見送らていた。
セビージャ戦後のラキティッチ
セビージャ戦でリオネル・メッシが骨折したときのことは記憶に新しい。プレー続行不可能と判断した瞬間、エルネスト・バルベルデはデンベレにすぐプレーするように命じた。だが、デンベレはなかなかピッチに入れなかった。ブーツを脱いでベンチに座っていたからである。また試合中にディフェンスに戻らなかったこともあり、チームメイトの不満が募る結果になった。このあとラキティッチは「いつでもプレーできるように準備しておくのがプロフェッショナルだ。今日、デンベレは余りにも遅すぎた」と語っている。バルベルデは「ボールを失うのは構わない。重要なのは失った後の行動だ」と暗にデンベレのプレーを批判していた。
インテル戦での遅刻
その数日後、デンベレはチャンピオンズリーグのインテル戦に遅刻したと報じられた。クラブは集合時間に到着していたと噂を否定したが、後日バルベルデは次のように語っている。「デンベレについて?今回は問題ないが、これまで何度か集合時間にいなければいけない場所にいなかったことがある。これは問題だね」
胃腸炎
そして大きな問題を起こしたのが、トレーニングを欠席することを事前に連絡しなかったことである。クラブは胃腸炎と発表したが、記者会見でバルベルデは多くの質問を受けることになった。この問題を受けてピケは「フットボールのトレーニングは1日だいたい2時間程度だが、それ以外にもプロの選手として24時間行動しなければいけない」とデンベレに忠告している。
この問題に関しては、フランス代表監督のデシャンも「代表でも所属チームでも、デンベレが遅刻するのは新しい話題じゃない。彼が使う言い訳も分かっている。彼にはフットボール選手としての責任があるんだ。もっと慎重に行動しなくてはいけない」と語った。
そのフランス代表との親善試合の前、ルイス・スアレスはバルサでのチームメイトを麻酔なしで批判している。「フットボール選手として生活できるのは我々の特権だ。ウスマンはプロフェッショナリズムを身に着けなければいけない。バルサには模範となる選手がいくらでもいるだろう。もっと責任を感じてほしい」
スアレスは、デンベレにバルサに値する才能があることは認めている。だからこそ彼にはその態度を改めてもらいたい。我々は心からそう願っている・・・。

ウスマン・デンベレ
バルサ移籍後のデンベレの"素行不良"を振り返る
FCバルセロナに移籍したあと、ウスマン・デンベレはそれぞれ異なる意味で人々の注目を集めた。最初はこのクラブにやってきたとき。1億500万ユーロ(約136億円)で獲得したフランス代表に、バルサファンは大きな期待を寄せた。