男子個人形決勝に進出していたダミアン・キンテロは惜しくも準優勝に終わったが、この2つのメダルはこれまで日本に支配されていたこの競技において、スペインが成し遂げた歴史的快挙だと言えるだろう。特にサンチェスの優勝については、多くの女性アスリートの目標になるはずだ。 

 空手は2020年の東京オリンピックの正式競技である。世界空手連盟のアントニオ・エスピノス会長は、今回のメダルには計りしれない価値があると主張した。「東京オリンピックはあらゆるスポーツにとって大きなチャンスだが、世界的に競技人口を増やしている空手においても、またとないチャンスである。今回のサンチェスとキンテロのメダルは、スペイン国民だけでなく、世界に大きくアピールするものになった」

 このメダルはLaLigaSportsプログラムの成果だともいえる。同プログラムは、スポーツ競技のプロフェッショナルを育成すること、また人間としての成長をサポートするため、選手のトレーニングから資金調達までをケアする窓口だ。サンチェスもキンテロもこのプログラムのサポートを受けているが、エスピノス会長は「今回の快挙で多くの企業が空手家をサポートするようになるだろう。事実、すでにそのような話がいくつか来ている」と語った。

 LaLigaSportsプログラムはサンチェスに欠かせないものだった。20歳の頃、サンチェスはCAR(アスリートを育成するトレーニングセンター)に所属したが、母親の病気のため金銭的に余裕が無くなり、入所からわずか1ヶ月でここを去っている。空手をやめた彼女は24歳のときにオーストラリアに移住。「自分のキャリアは終わった」と考えていたそうだ。

 サンチェスはスペインに戻ってきたあとに再び空手を始めたが、32歳まで国際的な舞台に立つことはなかった。だが、LaLigaSportsプログラムに出会い大きく成長している。その集大成が先週土曜日に行われた個人形決勝戦だ。試合後、サンチェスは「空手はスペインでも盛んに行われている競技なのに、これまでどのメディアもほとんど取り上げてくれなかった」とコメントしたが、そういう意味でも今回の優勝は大きな意味を持つ。

MundoDeportivo編集部

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