執筆者:Francesc Aguilar
FIFA副事務局長も務めているズボニミール・ボバンは「ルールはルールであり、これに異を唱えることはできない。セネガルにとっては残念な形だと思うが、次のラウンド進出に値したコロンビアと日本を称賛すべきである」と語っている。
このアイデアはどのように生まれたのだろうか?ボバンは次のように説明した。「2014年ブラジル大会のとき、ある幹部がジャンニ・インファンティーノ会長に提案したんだ。会長も私もすぐに気に入ったよ。その後、そのアイデアを前進させることになった」
今回、日本は途中から"フェアプレー"での勝ち上がりに賭けた。それを予想していなかった世界中のテレビの実況や解説は、驚きを持ったコメントでこの試合を中継している。FIFAはこのルールが新しいことから、そのような反応があることも予想していたという。
この"フェアプレー"の差で敗退が決まったセネガルのアリウ・シセ監督は「我々のワールドカップは美しく終わった。最後の試合も楽しめたよ」と選手たちを称賛した。 「"フェアプレー"の差で勝ち抜けなかったのは、我々がそれに値しなかったということだよ。まれなケースとはいえ、ルールはルールだから尊重している。実際、他のグループで同じことが起きていた可能性もある。いずれにしても、コインを投げて勝ち抜けを決定するよりは、よっぽどいいよ」
ポーランド戦で世界が驚いたのは、日本が終了まで時間を残しながらも、"フェアプレー"を利用するために試合を放棄したことだ。彼らはフットボールを諦めていた。
"フェアプレー"の定義はとはどんなものだろうか?ボバンは次のように説明した。「ファウルには2つの種類がある。正々堂々プレーしたうえで偶発的に発生するものと、プレーを有利に進めるために分かっていながら犯すものだ。後者は"フェアプレー"ではないね。暴力的だったり、非スポーツ的な行動も"フェアプレー"の精神に反するものだ」
この"フェアプレー"ルールは、2022年カタール大会でも採用されることが決まっている。出場国が48チームになる米国、メキシコ、カナダ共催の2026年大会では、16チームが3グループに分かれるレギュレーションになるため、FIFAはまた新しいルールを採用するだろう。

日本代表
ワールドカップ史上初の"フェアプレー"で勝ち上がった日本
ワールドカップの歴史において、これまでなかった勝ち上がり方だ。昨日行われたグループH最終節、ポーランドに敗れた日本は、セネガルに勝ち点、得失点差、当該チーム対戦成績で並んだが、最終的に"フェアプレー"の差でノックアウトラウンド進出を決めた。彼らのスポーツマンシップが報われた瞬間である。この勝利は喜ぶべきことである。