そのなかで元バルサのキャプテンは、2009年夏から約1年間うつ病に苦しんでいたことを明かしている。引き金となったのは、2009年8月8日に親友ダニエル・ハルケが心筋梗塞で亡くなったことだった。

「まるで自分が自分じゃないような感覚だった。何をやっても楽しめなかったよ。周囲の人々もあかの他人のような感じがした。何の感情も情熱も感じなかったね。本当に空っぽになっていた。その状況から抜け出すのには誰かの助けが必要だった。そんな状況で重要だったのは、希望だけは捨てなかったことだったと思う」イニエスタはそのように話した。「妻と映画を観に行ったときも、そこにいることができなくなって、上映が始まる前に出たことがある。それくらい酷い状況だった」

バルサとの別れ

 イニエスタは22年過ごしたクラブとの別れについて説明した。「フィジカル面、メンタル面を考えた上での決定だった。私の体はすでにピークを過ぎている。バルサであと1~2年続けることはできないと判断したんだ。だましだましプレーすることはできたかもしれないが、自分に正直でありたかった。何事にも始まりがあれば終わりがある。悲しい決断だったけど、いつかはやってくることだ」

迷わず決めた日本行き

 ワールドカップが終わったあと、アンドレスはヴィッセル神戸でプレーする。「彼らから説明されたプロジェクトを聞いて確信したんだ。私の決断が間違っていないことを願っているよ。日本行きを迷うことはなかった。家族のことを考えてもね。日本で生活することで人間として成長すると思うし、文化的にも豊かになると考えている。自分の将来にとってポジティブな経験になるはずだよ」

マドリードのチャンピオンズ優勝

 レアル・マドリードがリヴァプールを下してチャンピオンズリーグに優勝したことについて、イニエスタは自分の気持ちを隠さなかった。「マドリードが勝利したことについては、確かにマイナスの感情がある。ただ、バルサの選手として決勝戦に進出したかったという気持ちのほうが強いけどね」

ワールドカップロシア大会

 欧州選手権2回、ワールドカップ1回の優勝を経験しているイニエスタは、再びスペイン代表として成功することを目指している。「今回のスペイン代表も素晴らしいよ。若手とベテランが融合していて、多くの選択肢があるチームだ。この仲間と再びタイトルを目指したい。まずはグループステージにフォーカスして一歩一歩進んでいこう。正しく進めば、確実に勝ちあがれると思う」

妻アンナを落とした経緯

 このインタビューで面白かったのは、彼が話した妻アンナを落とした経緯だ。「臆病な人間には臆病な人間なりの戦術があるのさ」イニエスタはそのように話した。「私はアンナに一目惚れしたけど、連絡先を知らなかった。当時の彼女はフットボールにあまり興味がない人間でね。ただ、彼女には大のフットボールファンの親友がいたんだ。まずはその親友に連絡して、アンナの電話番号を聞き出した。それからアンナにメッセージを送ったんだ。すべてが上手く行ったよ」

MundoDeportivo編集部

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