執筆者:Cristina Cubero

 イニエスタは優しい人間だ。先日、苦悩を告白したアンドレ・ゴメスへのケアを見ても分かる。チェルシー戦後、イニエスタはドレッシングルームでアンドレと笑いながら抱き合う写真を公開した。ドンは苦しんでいるアンドレを可能な限り支え続けている。

 2009年、エスパニョールのダニエル・ハルケが急性心筋梗塞で亡くなったとき、イニエスタはバルサのカウンセラーに助けを求めなければいけないほど気を落とした。まもなく生まれてくる娘ダニエラの顔を見ることなくこの世を去った親友。イニエスタはダニを失った悲しみと同時に、突然訪れる死に対しての恐怖も感じていた。

 キャリアの中で休んだのは、大きな負傷を抱えたときくらいの選手が、しばらくトレーニングをすることもできなかったという。勇気も強さも希望も持てなかったイニエスタを助けてくれたのは、スペイン代表、そしてバルサのチームメイトたちだった。

 そんなイニエスタだからこそ、現在苦しい立場にあるアンドレ・ゴメスの気持ちが痛いほど分かるのだろう。アンドレスもアンドレもスペイン語とポルトガル語の違いだけで同じ名前だから、より親近感を覚えているかもしれない。イニエスタがこれまでのキャリアで蓄積してきた経験は、ピッチの内外を問わずチームに大きな影響を与えている。

 そんなキャプテンが、12歳から21年間過ごしてきた快適な環境を手放そうとしている。個人的には、バルサに残る可能性は低いと思う。アンドレスは強い自信を持ってチームを離れる準備をしているように見えるからだ。中国のクラブは、アンドレスにとてつもない年俸を提案している。ドンはリーガ、チャンピオンズ、コパのトロフィーをキャプテンの腕章を巻いて掲げることで、バルサでの有終の美としたいのではないか。私はそのように思う。

MundoDeportivo編集部

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