執筆者:Sergi Solé

 近年多くみられるアメリカや中国への移籍は、ロサンゼルス・ギャラクシーに移籍したデビッド・ベッカムが先駆けだ。ベッカムに続き、ティエリ・アンリ、スティーヴン・ジェラード、フランク・ランパード、アンドレア・ピルロ、ダビド・ビジャ、カカらスター選手は、引退を目前にしてアメリカに渡っている。しかし、現在のメインストリームは中国への移籍だ。中国のクラブは巨額の資金を背景に、引退間際ではなくトップパフォーマンスの選手を次々に引き抜いている。

 バルセロナの選手では、昨年からアンドレス・イニエスタが中国から関心を寄せられていたが、最近ではハビエル・マスチェラーノに移籍の可能性が浮上した。マスチェはロシアワールドカップに向けて出場機会を求めており、3月にシーズンが開幕する中国スーパーリーグへの移籍が噂されている。

 中国にはアルゼンチン代表でチームメイトだったカルロス・テベス、エセキエル・ラベッシら30歳代前半の有名選手がプレーしている。チェルシーから移籍した元ブラジル代表のオスカル(26歳)や、フッキ(31歳)がプレーする上海上港には、ヴィトール・ペレイラ監督の就任が発表された。

 中国スーパーリーグの特徴は何と言っても高額な年俸である。上海華夏幸福でプレーするラベッシの年俸は5000万ユーロ(約66億6000万円)。テベスは約4000万ユーロ(約53億円)と言われている。さらに、今年1月アルダ・トゥランに届いたオファーは2000万ユーロ(約26億6000万円)近い金額であった。このような例に漏れず、マスチェラーノにはマヌエル・ペレグリーニが率いる河北華夏からおよそ700万~800万ユーロ(約10億6000万円)のオファーが届いていると報じられている。

 また、中国スーパーリーグにはMLSよりも著名な監督が集まっている。先ほど触れたチリ人のペレグリーニ監督も、中国にいる最も有名な監督の一人である。監督の人選で着目すべきは広州恒大だ。2006年ワールドカップの優勝メンバーであるイタリア人ファビオ・カンナヴァーロが就任することが発表された。前任監督は、2002年ワールドカップでブラジル代表を優勝に導いたルイス・フェリペ・スコラーリ、その前は2006年ドイツワールドカップでイタリアを率いて優勝したマルチェロ・リッピが監督を務めていた。

 そのほかのチームに目を向けても、ファビオ・カペッロ(江蘇蘇寧)、グレゴリオ・マンサーノ(貴州知誠)、ウリ・シュティーリケ(天津泰達)、ルイス・ガルシア(北京人和)、フアン・ラモン・ロペス・カロ(大連一方)、パウロ・ソウザ(天津権健)、パウロ・ベント(重慶当代力帆)など名だたる監督が集まっている。

 こうした状況のスーパーリーグだが、当然中国国内での関心も高まっている。平均観客動員数は広州の45587人を筆頭に、北京国安の34684人、重慶当代力帆の34439人と続く。なかでも目を引くのは平均観客動員数を着実に増やしている重慶当代力帆だ。チームの株式の大半を保有するのはスポーツマーケティングを行うデスポーツ社。2016年5月にグラナダを買収したり、イニエスタの肖像権を管理するメディア・ベース・スポーツ社の株式の46%を保有したり、幅広い活動を展開している。

MundoDeportivo編集部

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