執筆者:Sergi Sole

 しかし、そのプレーは報われない。フアン・イグナシオ・イグレシアス・ビジャヌエバ主審とエンリケ・ホセ・ラモス・フェレイロ線審は、メッシの明らかなゴールを認めなかった。メスタージャの観客だけでなく、世界中でテレビ観戦していた人々が認知した得点を、この2人だけが見逃したのである。マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンに近い記者席にいた私でさえも、ボールがラインを割ったのが見えた。

 あの瞬間、スタンドのバレンシアニスタは一斉に沈黙した。ゴールを喜ぶメッシは、2021年までの契約更新を自ら祝福しているようだった。しかし、その得点が認められなかった。昨シーズンのベティス戦と同じような誤審が繰り返されたのである。

 ゴールを喜んでいたメッシは、プレーが続行されていることに驚いた。なぜゴールが認められていないんだ?チームメイトたちと抗議したが、フェレイロ線審が耳を貸すことはなかった。一方、バレンシアの攻撃は続いていた。ひやりとする場面が終わってプレーが切れると、バルサの選手たちはビジャヌエバ主審に詰め寄った。しかし、判定が覆るはずもない。リーガはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を導入していないからだ。

 前半が終了してドレッシングルームに引き上げるとき、メッシは審判団に抗議していた。マナーを守ってはいたが、万が一に備えて、その横には主務のカルロス・ナバルが付いていた。メッシの問いかけに対して、ビジャヌエバ主審はただひとこと「ドレッシングルームに行きなさい」と答えただけだった。

 負傷離脱中のセルジ・ロベルトは、ビジャヌエバ主審の誤審の直後に、赤面した絵文字を5つ並べてツイートしている。累積警告で同じくこの試合を欠場していたジェラール・ピケは、今回何もリアクションを起こしていない。

MundoDeportivo編集部

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