記憶に新しいのは、昨年末に精巣がんが発見されたビルバオのイェライ・アルバレスだろう。手術後に再発したものの、化学療法を受けてトレーニングに復帰している。アルバレスはビデオメッセージで次のように語っていた。「トレーニングに戻れたことが、がんとの闘いを乗り越えた証拠だ。本当にうれしいよ。もう嘔吐することもない。食事を口に運ぶこと、水を飲むことが、こんなに特別なことなんて思ってもなかったね。自分が病気になって、何気ない行動のありがたみが身に染みた」

 元FCバルセロナのエリック・アビダルの復活は、多くの人々の記憶に残っているだろう。肝臓がんから復帰したアビダルは、2010-11シーズンのチャンピオンズ決勝戦に先発出場して、バルサの優勝に大きく貢献した。

エリック・アビダル

 アリエン・ロッベンも20歳のときに精巣がんを患ったひとりである。がんを克服したあとのロッベンは、いくつかのビッグクラブを渡り歩き、現在もバイエルン・ミュンヘンで活躍を続けている。

 かつてアトレティコ・マドリードやデポルティーボ・ラ・コルーニャで活躍したゴールキーパーのフランシスコ・モリーナも、同じく精巣がんを克服した。がんが見つかったのはデポル時代の2002年。手術後に化学療法を続けたため、復帰したのは2003年1月になった。

フランシスコ・モリーナ

 バレンシアのフォーワードだったブルガリア人リュボスラフ・ペネフは、左睾丸の腫瘍を化学療法で完治させている。しかし、その治療のため、1994年のワールドカップアメリカ大会の出場を断念することになった。

リュボスラフ・ペネフ

 セルヒオ・アラゴネスは2度にわたってがんと闘ったゴールキーパーだ。エルチェとエルクレスに所属していた2005年から2007年にかけて、精巣がんが2回発見されている。1度目は手術を受けたアラゴネスだが、2度目は化学療法で治療し、その結果現役を続けることができたそうだ。

セルヒオ・アラゴネス

 ホナス・グティエレスは、がんを手術したあとに1年以上試合に出場できなかった。しかし、母国アルゼンチンで化学療法を続けたあと、2015年から復帰している。ホナスはインデペンディエンテで現役を続けている。

ホナス・グティエレス

 同じくアルゼンチン人のカルロス・ロアは、アルバセテ・バロンピエ時代の2004年に精巣がんを患った。元アルゼンチン代表ゴールキーパーは治療後に復帰して、引退までの数年間をアルゼンチンでプレーしている。

MundoDeportivo編集部

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