執筆者:Ferran Martinez
その全員が、5月に行われたU-17欧州選手権に優勝したあと、代表チーム主力として活躍してきた選手たちである。U-17ワールドカップの決勝も、U-17欧州選手権決勝戦と同じイングランド代表戦だったが、今回は残念ながら2-5で敗北してしまった。
セルヒオ・ゴメス(ミッドフィルダー)『シルバーボール受賞』
U-17ワールドカップにおいて、その黄金の左足はさらに輝きを放っていた。スペイン代表の中心選手で、この大会ではキャリア最高のパフォーマンスを発揮している。類い稀なる才能と創造性を持ち、チーム全体を動かすことができる選手だ。絶妙なタイミングでスペースを見つけ出し、多くの危険を生み出している。
インドでは4ゴール、2アシストをマーク。準々決勝のイラン戦で見せたペナルティエリア外からのロングシュートは、強烈なインパクトを残した。今大会での活躍により、バルサBに召集されるのは時間の問題だろう。
アベル・ルイス(フォワード)『ブロンズシューズ受賞』
U-17スペイン代表のキャプテンを務め、攻撃の要として活躍した。ゴールだけでなく、見事なタイミングで相手ディフェンスの背後へ抜け出す瞬発力、試合の流れを読むことのできる能力を併せ持っている。6試合で7得点を決めブロンズシューズ(大会得点ランキング3位)を受賞した。
決勝戦を除く、ノックアウトラウンドの全ての試合でゴールを決めた点も評価されるべきだろう。バルサBのジェラール・ロペス監督もすでに何度か召集しており、セグンダ・ディビシオンで4試合に出場した経験を持つ。グラナダ戦では貴重な同点ゴールも決めている。
フアン・ミランダ(左サイドバック)
今大会で目立った活躍を見せた選手の1人である。グループステージ初戦のブラジル戦ではベンチスタートだったが、次のニジェール戦ではスターティングメンバーとして出場、それ以降は先発の座を明け渡すことはなかった。U-17スペイン代表の左サイドにおいて、その高いフィジカル、力強いプレー、守備面での高い規律性、攻撃参加のタイミングといった持ち味を発揮した。
特にその攻撃参加は高く評価されており、決勝トーナメント1回戦フランス戦での重要な同点ゴールに加え、大会を通じて、2アシストも記録している。ポストに嫌われたシュートが3度あるというデータからも、攻撃力の高さは分かるはずだ。完璧な大会を過ごしたこのアンダルシア出身選手は、すでにバルサBでのデビューも果たしている。
マテウ・モレイ(右サイドバック)
今大会6試合で先発フル出場を果たした。途中交代となったのは初戦のブラジル戦のみでる。今大会では、3ゴールをマークしたU-17欧州選手権のような攻撃参加を見せることはなかった。しかし、その安定したパフォーマンスはデニア監督にも高く評価され、チームにとって欠かすことのできない選手になっている。バルサでは右サイドバックとしてのトップチーム昇格を目指している。その可能性に賭け、バイエルン・ミュンヘンからのオファーを断り残留を決意した。そのチャンスはきっと訪れることになるだろう。

U-17ワールドカップ
U-17ワールドカップに大きな足跡を残した"ラ・マシア"
FCバルセロナは年代別のスペイン代表に最も多くの選手を輩出しているクラブである。先日までインドで開催されていたU-17ワールドカップにおいても、セルヒオ・ゴメス、アベル・ルイス、フアン・ミランダ、マテウ・モレイの4選手が選出されていた。