執筆者:Begona Villarrubia / Lorea Bakero

 もはやレジェンドであるマンチェスター・シティのカーリー・ロイドや、若くして大きなタレントを持つベネズエラ人デイナ・カステジャノスを抑えての受賞である。この惑星で最も優秀な女子選手を保有しているバルサは、オリンピック・リヨン、パリ・サンジェルマン、ヴォルフスブルク、チェルシーら強豪を一歩リードしていると言えるかもしれない。

 "リーケ獲得"の動きが始まったのは今春だった。きっかけは3月22日に行われた女子チャンピオンズリーグベスト8の第1戦。バルサがリーケのいるFCローゼンゴード(スウェーデン)と対戦した試合だ。アスルグラナのスカウティングは、バルサを苦しめたこのオランダ人フォワードを高く評価し、最優先ターゲットとしてその名前をリストに大文字で記載した。
 ローゼンゴードはこの試合を0-1で落としたが、リーケ個人の活躍が、バロンドールを5度受賞したバルサのマルタ・トレホンを上回っていたのは明らかだった。ミニ・エスタディで行われた第2戦でも、リーケはその才能を繰り返し証明している。

 バルサ女子のスポーツマネージャー、マルケル・スビサレッタには、マルテンス獲得を決定するための情報が不足していた。そこでスビサレッタは、彼女を代表戦でチェックすることを決める。舞台はUEFA欧州女子選手権だ。もしリーケが代表チームでも同じように活躍するよう選手なら、この賭けは安全なものになると判断したからである。

現地で12試合を視察

 そのウィメンズユーロ2017の開幕前、リーケは大会の最優秀選手候補に挙げられていたものの、優勝候補はドイツ、フランス、スウェーデン、イングランドなどで、オランダが勝利する可能性は低いと言われていた。しかし、この大会のリーケはこれまでないほどの輝きを発すると、MVPを獲得しただけでなく、母国を初優勝に導いている。

 現地でスビサレッタが視察したのは、クラブチームでの試合を含む12試合だった。分析する項目はプレーの技術面だけではない。例えば試合に負けているときや、途中交代したときの振る舞い、チームメイトへの接し方なども細かくチェックされている。

 スビサレッタはバルセロニスモ(バルサ主義)を深く理解している人間だ。「選手としての能力以上に、人間性を評価して契約したんだ」のちにスビサレッタはそのように語っている。明るくてフレンドリーなリーケは、クラブでも代表でもチームメイトから最も親しまれている選手のひとりだった。またコミュニケーションに必要な言語を学ぶ姿勢にも問題がなかった。

ヨハン・クライフの足跡をたどる

 リーケは、ポゼッションとワンタッチプレーを意識してプレーする。"オレンジ(オランダ代表)"は攻撃的なスタイルであるため、バルサに適合するのも早かった。リーケは次のように語ったことがある。「オランダ代表とバルセロナの共通点はヨハン・クライフのスタイルです。このスタイルでプレーすることにシンパシーを感じました」彼女はバルサで同胞ヨハン・クライフのキャリアをたどりたいと考えているのかもしれない。ただ、プレースタイルについてはロナウジーニョがお手本だそうだ。

 もしリーケが欧州女子選手権で失敗し、他のビッグクラブが異なる有力選手にフォーカスしていたとしても、バルサだけは絶対に彼女を見つけ出していただろう。"ザ・ベスト"という晴れ舞台で、バルサが女子フットボールに何を求めているのか、それを示せたことは大きな成功だったと思う。

MundoDeportivo編集部

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