執筆者
Xavier Bosch
シュスターは1980~88年までバルセロナでプレーしたドイツ人ミッドフィルダーで、西ドイツ代表としてもプレーした経験がある人物だ。
シュスターの語ったなかには、FCバルセロナの歴史も含まれる。例えば1984~87年にバルサで指揮を執ったテリー・ベナブルズとの関係、セビージャで行われた1986年のUEFAチャンピオンズカップ決勝での出来事(PKでルーマニアのステアウア・ブカレストに敗北)、レアル・マドリードへの移籍、ディエゴ・マラドーナとの意思疎通などだ。
なかでも1時間近くに渡るインタビューで最も重要だったテーマは、マラドーナがバルサでプレーした2シーズンについて。シュスターによれば、当時はマラドーナが全て解決してくれるだろうと考え、他の選手たちは全力でプレーしていなかったという。
しかしマラドーナがナポリに移籍した後はロッカールームが団結し、選手個々が全力を出してプレーするようになった。シュスター自身も、ディエゴが去りベナブルズが監督に就任した後に最高のプレーができたと認めている。
当時は火中の栗を拾い上げてくれたマラドーナがいなくなったことで全員が歯を食いしばり、リーグタイトルを勝ち取った。それはネイマールを失った今季のバルサと似ている。なぜなら、以前はトリデンテが解決してくれるのを待っていた選手たちが、一歩前に踏み出し、チームとして戦うようになっているからだ。

FCバルセロナ
元バルサのシュスター「マラドーナを失って全員が一歩前に出た」
『TV3』で放送された新聞記者リュイス・カヌによるベルント・シュスターのインタビューは、フットボールの歴史を綴る上で欠けていた、パズルのピースを補う言葉を残した。