執筆者
Fernando Polo

 しかし、6月30日にメインスポンサーの契約が満了すると、フライトスポンサーの話も同じく消えてしまう。その後、カタール航空がこれまで支払っていた年間3,350万ユーロ(約44億円)を超える5,500万ユーロ(約73億円)を提示した企業が現れた。日本の楽天である。バルサの胸スポンサーは"Rakuten"になった。

 それからしばらくして、バルサのクラックを奪うというパリ・サンジェルマンのミッションに、カタール勢力が大きく関与していたことが明らかになる。ネイマールを奪われたバルサ重役会は、カタール航空に対してネガティブなイメージを持つようになった。特にジョゼップ・バルトメウ会長は、彼らの関係を一切絶ちたいと考えるようになる。今後、カタール航空がバルサのフライトスポンサーになることは絶対にないだろう。

 バルサのフライトスポンサーについては、2010年から年間300万ユーロ(約3億9,000万円)でトルコ航空が務めていた。しかし、2014年にカタール財団が胸スポンサー名をカタール航空に変更したため、トルコ航空は撤退。フライトスポンサーもカタール航空になっている。ちなみにこの年のクラブ予算は8億9,700万ユーロ(約1,193億円)の史上最高額だった。

 近年、バルサはトレーニングウェアにもスポンサー名を施している。トルコの家電メーカーBekoは、2014年から年間1,000万ユーロ(約13億円)の5年契約を交わした。Bekoのロゴはユニフォームの袖、トレーニングシャツの背中、選手たちのジャケットにもプリントされており、バルサは1,500万ユーロ(約20億円)のスポンサー料を求めていた。

 現実的でない数字として、ジョゼップ・バルトメウ会長が責任者を務めるエスパイ・バルサ(新カンプ・ノウ建設プロジェクト)は、新しいスタジアムのネーミングライツ(命名権)に年間2億ユーロ(約260億円)を設定しているという。これはあまりにも非常識な金額だ。今のバルサは、資金集めにとても熱心である。

MundoDeportivo編集部

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