ナスティック(タラゴナの愛称)は開始直後から高強度とともに、冷静さを失わないプレーを披露。主導権を握りバルセロナ相手に数々の決定機をつくることに成功した。新チームが始動して未だ日は浅いにもかかわらず、ルイス・カレーラス監督はパスをしながら攻撃を組み立てるスタイルを植え付け、それがこの試合開始直後の決定機に表れたのだ。

 タラゴナは左サイドで多くの攻撃展開を形成。突破された理由として、対峙したネルソン・セメドがアルダ・トゥランのサポートに恵まれなかったことが原因だろう。

 タラゴナMFセルヒオ・テヘラのシュートなどのチャンス後、均衡が崩れたのは前半10分。幸運を伴ったプレーによるものであった。

 PKを獲得したタラゴナ。キッカーを務めたSMFオマル・ペルドモが蹴った低い弾道のボールは、ニアに飛び込んだ選手とその侵入を防ごうとした相手ディフェンダーの2人に当たり元のコーナーへ。ペルドモがそのボールを奪うと、ゴールラインすれすれをドリブルしゴールに侵入。鮮やかなドリブルで2人のディフェンダーを抜き去るが、3人目を前にボールを大きくタッチしてしまう。そのボールをディフェンダーがすかさずクリアーしたが、これがペルドモの足に当たり鋭いセンターリングに代わる。そしてゴールに走り込んでいたマヌ・バレイロの目の前にそのボールが転がってくるという幸運が重なり、ナスティックは先制に成功した。

 一方バルセロナのプレーヤーではセルジ・ロベルトとセルジ・サンペルが違いを見せていたがチームは前半、流動性を欠くプレーでタラゴナゴールに迫る回数は僅かであった。さらに先発で出場をしていたトーマス・フェルマーレンが負傷退場するなどネガティブな印象を残してしまう。マルロン・サントスがフェルマーレンに代わって出場した。
 
 後半、バルセロナはヤスパー・シレッセンがテア・シュテーゲンに、そしてトゥランとムニル・エル・ハダディが代わったのみでピッチ上ではほぼ同じメンバーであった。しかし、チームは全く異なるカラーを見せることになった。

 カルロス・アレニャのロングレンジからのシュートと、リュカ・ディニュのオーバーラップでチームは勢いに乗ると、その直後にムニルが再びGKストレ・ディミトリエフスキの牙城を脅かすシュートを放つ。しかしこれはゴールキーパーに弾かれる。

 対するナスティックはファン・ムニスが決定機をつくるも、テア・シュテーゲンが足を使いスーパーセーブ。さらにこぼれ球をゴールに押し込むも、オフサイドの判定が下された。

 観客の応援も落ち着きを見せたころ、バルセロナはジョルディ・アルバ、ドウグラス、アンドレ・ゴメス、そしてジェラール・デウロフェウの投入により、再びチャンスをつくることに成功。だがデウロフェウが対角線上を狙って打ったシュートはゴールキーパーが見事セーブ。同点に追いつくことはできなかった。

 そのデウロフェウは右サイドでプレーを開始したが、すぐに左サイドに移動。想像していたよりも早いタイミングで、ネイマールが担っていた役割を与えられることになっている。

 試合終了15分前、バルセロナは未だ諦めていなかった。FKを獲得したバルサはパコ・アルカセルが担当。右足で狙い澄ました美しいFKを決め、ようやくスコアを動かすことに成功した。

 試合終了が迫る中、デニス・スアレスの侵入からムニルが勝ち越しに向けた決定機を得るものの、そのシュートは威力を欠きゴールラインぎりぎりの位置でヴィルフリード・ザイボにクリアーされた。

 結局このプレーが最後のチャンスとなり試合は終了。両監督にとって実りある試合になったとともに、近いうちに一部に返り咲くであろうタラゴナのサポーターたちにとっても、その輝きを思い出すことができた試合になったようだ。

MundoDeportivo編集部

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