執筆者
Miguel Rico
このフランス人ウイングがドルトムントを選んだのは、金銭的な問題でも、フェルナンデスSDの迷いが招いたものでもなく、デンベレ自身の決断によるものであった。当時19歳の同選手は自身の価値を高めるために、試合出場が確保されたドルトムントを選択した。結果、ブンデスリーガでは32試合に出場し、チームの主力へと成長した。
2017年現在、フェルナンデスSDは引き続きデンベレに目を光らせている。同SDの頭の中では、カンプ・ノウでプレーをしているデンベレの姿が見えているのかも知れない。
この情報を熟知しているエルネスト・バルベルデ監督は、既に所属している選手を生かすために、クラシカルな4―3―3のシステムを見直すといわれている。その考えは就任記者会見でも示唆しており、この若きタレントの加入によって、3―4―3、もしくは4―2―3―1というシステム変更の可能性がある。
特にリオネル・メッシのポジションを見直すことになるだろう。メッシをより中央に置いた状況下、デンベレがスプリントを仕掛け相手ディフェンス陣のバランスを崩すことで、メッシが中央のゾーンで試合をよりコントロールすることができると見られている。
ドルトムントはレンヌから獲得した2倍以上の金額を要求しているが、バルサはそれでも獲得に乗り出す見込みだ。デンベレは既に、バルサでレギュラーを勝ち取る力を持っている。

FCバルセロナ
デンベレがバルサにもたらす新システム
2016年夏、ボルシア・ドルトムントはウスマン・デンベレと2021年まで契約を結んだ。この契約で前所属のスタッド・レンヌは1,500万ユーロ(約18億円)を受け取ることになり、FCバルセロナのロベルト・フェルナンデスSD(スポーツディレクター)の希望は砕かれることになった。