執筆書
Xavier Bosch

 記者の「いつの日かまた、メッシを指導することはあるのか?」との問いにグアルディオラ監督は、「レオ(メッシの愛称)はバルサでキャリアを終わるべきだ」と答えた。
「ということは、グアルディオラ監督もバルサに戻るということでしょうか?」という記者からの矢継ぎ早の質問に対し、このように返した「私が監督としてバルサに戻ることはない。バルサでのキャリアはもう終わったんだ」。

 以前、この質問に対してグアルディオラ監督は曖昧な態度を示していた。しかし、今回ははっきりと戻ることはないと断言し、このテーマに終止符を打った。

 グアルディオラ監督は現在、イングランドというスペインとは全く異なる文化の中で、自身のスタイルを定着させることに挑んでおり、バルサのベンチで第2のキャリアを過ごすつもりはない。

 かつて、グアルディオラ監督が率いていたバルサを越えることは難しい。グアルディオラ監督が指揮をした4年間、我々はメッシ、全盛期のシャビ、イニエスタ、ブスケツによるサッカーショーを大いに楽しんだ。
 また、ジェラール・ピケとダニエウ・アウベスの加入はクラブの歴史と、観客たちを熱狂的なものに変えた。

 ジョゼ・モウリーニョ率いるレアル・マドリード戦(2010―11シーズン)での5―0の勝利。ファンデ・ラモス監督が率いるレアル・マドリード戦(2008―09シーズン)での6―2の勝利。ウェンブリー・スタジアムで行われたチャンピオンズリーグ決勝、マンチェスター・ユナイテッド戦(2010―11シーズン)の3―1の勝利。これらはサッカーの進化といえた。

 バルサの監督に就任した2008―09シーズンのスペイン国王杯の優勝から、退任する2011―12の国王杯優勝まで、グアルディオラ監督は14のタイトルを獲得している。就任1年目でのリーガ、国王杯、チャンピオンズリーグの三冠達成はもう繰り返すことはできない偉業であった。同時に彼は、常に勝ち続けることの難しさとも戦っていた。

 在籍中にここまで稀な、素晴らしい成績を残すのは非常に困難であることは我々も理解しているし、もう繰り返されることはないだろう。なぜならあのレアル・マドリードでさえ3冠を達成したことはないし、欧州で2度の3冠達成を果たしたクラブも他には存在しないからだ。そしてこの黄金時代はもう、カンプ・ノウに戻ってこないだろうと思われていた。

 だが、ティト・ビラノバ元監督の訃報というショックの直後から、ヘラルド・マルティーノ監督(2013―14)、ルイス・エンリケ監督(2014―現在)、そしてトリデンテ(メッシ、ネイマール、ルイス・スアレスの3トップ)によるチームへの移行時期を経て、再びバルサはかつての輝きを取り戻し、史上初、2度目の3冠達成を果たした。

 詩人ホルヘ・マンリケの「どんな過去もすばらしかった」という過去を懐かしむ言葉がある。

 思い出はDVDの中に、頭の中に、そして今ある幸せの中にあるものだ。だが過去と比較しても常に害がつきまとう。現在のバルサは、他のライバルチームではなく、かつての“最強のバルサの記憶”と闘っている。

 また現在、我々が見ているバルサへのブーイングは、何も特別なものではない。エンリケ監督が就任した2年前も、グアルディオラ監督が就任した8年前も、いつでも観客はブーイングをしてきたし、この先ずっと止まらない可能性だってある。
 
 エンリケ監督も、メッシもいずれ通ることになる道なのだ。かつてのグアルディオラ監督もラディスラオ・クバラ(1950年代のバルサの伝説的選手)も通ったように。

MundoDeportivo編集部

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