そして2015年5月、クラブは当時高校2年生だった同選手を2種登録。天皇杯でプロのピッチに立った。
翌年、冨安選手は晴れてプロ契約を交わす。ルーキーイヤーで16試合に出場。ディフェンスラインの要として存在感をアピールした。同年7月にはリオデジャネイロオリンピックのトレーニングパートナーに選出され、10月にはU―19サウジアラビア戦で日本のピンチを抑えて初優勝に貢献するなど、その成長は目を見張るものがある。
今年はU―20に招集されており、5月20日から開催する「FIFA U-20 ワールドカップ韓国2017」でも大きな活躍が期待される選手のひとりだ。
目標とする選手はFCバルセロナのハビエル・マスチェラーノ。駆け引きが上手く、守備的ミッドフィルダーもこなす同選手が理想像だという。
4月29日の東京ヴェルディ戦(14時、レベルファイブスタジアム)は、「師弟対決」となった。今シーズン、東京ヴェルディのトップチームコーチに就任したイバン・パランコ・サンチアゴ氏は、冨安選手がバルサスクールに所属していたとき、テクニカルディレクターを務めていたからだ。
少年時代は攻撃的ミッドフィルダーでプレーすることが多かった冨安選手だが、このイバン・パランコ氏から「君はサイドバックで世界と戦える」と言われ、同じスクールではサイドバックでプレーしたというエピソードがある。
アビスパのジュニアユースから主にセンターバックでプレーし始めたため、サイドバックでの機会はなくなったが、イバン・パランコ氏は、いずれJリーガーとして活躍する富安選手のポテンシャルを見極めていたのであろう。
6年ぶりの再会がJのピッチとなった両者。試合はアビスパ福岡が1-0で勝利。守備的ミッドフィルダーとしてプレーした冨安選手は、チームの完封勝利に大きく貢献し、恩師の前でその成長を存分にアピールした。
