執筆者
Óscar Zárate

 メッシのものすごいパフォーマンスを前に、ロナウドは本拠地のサンティアゴ・ベルナベウで圧倒されていた。世界中が、地球上で最も優れたサッカー選手のショーを目の当たりにした。
 一方でロナウドは、リーガの優勝争いできわめて重要な試合で失敗した。チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でバイエルン・ミュンヘン相手に合計5ゴール(内2ゴールはオフサイドのようにも見えたが…)を決めていたロナウド。クラシコでも力強く試合に入っていた。
 試合前にはロッカールームからピッチへのトンネル内でチームメートの胸を叩いて鼓舞していたロナウドは、とても集中して試合に入った。同選手バルサ陣の空いた広大なスペースを活かし、快適にプレーしていた。前半20分、左サイドからの鋭いシュートはテア・シュテーゲンに阻まれた。それ以降、徐々にロナウドの存在感は薄まり、後半にはそれまで外したこともないようなチャンスで失敗してしまった。
 後半12分、試合が1―1で進む中、負傷したガレス・ベイルに代わって投入されたマルコ・アセンシオの絶好のアシストパスを、オフサイドポジションにいたようにも見えたがゴールに押し込むだけのシュートを外してしまった。今期のバロンドール保持者のロナウドだが、彼の放ったシュートは大きくゴールマウスを外れ、試合を2―1とし、勝利とリーガの優勝をほぼ手中に収める絶好の機会を逸してしまったのである。

 B・ミュンヘン相手のハットトリックと共に、素晴らしい1週間を良い形で終えたかったロナウドだったが、バルサ相手には決定力に欠けた。リーガの試合では、依然として影を潜めている。
 3月12日のベティス戦以降、サンティアゴ・ベルナベウではノーゴールで、得点王「ピチーチ賞」争いではメッシの31ゴールに対し、19ゴールと12ゴール差を付けられている。
 本当の「ザ・ベスト」は、バルサの10番だろう。

MundoDeportivo編集部

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